降格された星
サラリーマンにとって、「降格」という言葉は
なんともみじめな気持にさせられる言葉ではないでしょうか。
しかし、何事も“考えよう”です。
終わりがなければ新しいことは始まりませんし、死があるから再生がある。
試練や苦しみのない人生は、スパイスの入っていないカレーと同じ…。
それを教えてくれるのが、冥王星です。
もともと冥王星は、、1930年に「太陽系の惑星」として発見されました。
そして、その後、2006年まで(つい最近ですよね!)は
太陽系の第9惑星として教科書にも掲載させていたのです。
ところが、太陽系の外縁部には
冥王星と同じような大きさを持つ天体が幾つも存在することが分かったため、
「準惑星」に降格させられてしまったのです。
そして、降格という意味を持つ英語「Pluto」の名前を与えられたというわけ…。
(わざわざこんな名前をつけるなんて、皮肉たっぷりですよね)
確かに、冥王星は月の3分の2ほどの大きさしかなく、
しかも太陽と地球の距離の約32倍も離れた場所にあるため、
(なにしろ、探査機がまだ到着していないくらい…)
望遠鏡(しかも口径が大きいものに限る)がなければ見ることもできません。
とはいえ、カロンという非常に大きな衛星を従えていることなどが
すでに明らかになっています。
まだまだこれからの調査が楽しみな星ですね!
星占いと「冥王星」
実は、冥王星は星占いの世界ではあまり良い印象を持たれていません。
…というのも、動きが緩慢で本質がつかみにくく、
ミスリーディングが生じやすいから。
おそらくこれは、つい最近発見されたばかりの星だということもあり
まだ実態がつかめていないことも影響しているのでしょう。
直径が冥王星の半分もある非常に大きな衛星(カロンという名前です)を持っており、
2つがいつも重なり合って見えていたことから「二重天体」とも呼ばれていますが、
ここから転じて「隠された力」や「人智を超える力」、
「秘められた欲望」といった象徴的な意味も与えられています。
もっと深く読んでいくと、
人の内面に隠された欲望や凶暴さなどを表しているわけです。
そのため、「冥王星は破壊をもたらす凶星である」と考える占い師さんもいるようです。
しかし、どんなものでも、壊さなければ新しいものは作れません。
逆に言うと、再生のためには破壊する勇気が必要だということ。
粘土だって、完成したものを崩して・壊して・練って…を繰り返すことによって
次々に新しい作品を生み出すことができますよね。
ある意味では、人生もそれと同じ。破壊と再生を繰り返さなければ、
ずっと同じ場所に立ち止まったままになってしまうでしょう。
個人も社会全体も、「死」と向き合わなければ飛躍はない。
守りに入ったらおしまいですよ。
…冥王星は、単純に命の「死と再生」ではなく、人生や社会において
「現状を一掃して新たなステージへ進むこと」の大切さを教えてくれる星なのです。
【星占いでの象徴的な意味】
死と再生、始まりと終わり、強制的改革、破壊と再建、不可能を可能にする、
再出発、再生力、根性、宿命、人智を超える力、極限状態
手相占いにおける「冥王星」の意味
手相占いの根本には、
「私たちの身体には宇宙のエネルギーが宿っている」という考え方があります。
そのため、私たちの手の平の各部には「太陽丘」や「月丘」…等のように
星の名前がついた部分があり、
そこに星々からキャッチしたエネルギーが蓄えられていると考えられているのです。
しかし、冥王星に関していえば、「丘」という呼び方はしません。
手の平の付け根付近を指して「冥王星国」と呼んでいて、
この部分に冥王星のエネルギーが反映されていると言われているのです。
弾力があり、色つやの良い冥王星国の持ち主は、
力強い「再生力」を秘めている人。
「死と再生の星」である冥王星のパワーを強く蓄えていますので、
たとえ失敗しても何度でも立ち上がって再興することができるでしょう。
コツコツと努力を積み重ね、不可能を可能にしてしまうのも、
豊かな冥王星国の持ち主の特徴です。
逆に、冥王星国が極端に凹んでいて、
色つやも悪く線も全く入っていないという場合は、失敗に弱いタイプ。
裏返せば、失敗を跳ね返せるほどの自信がない。
自身を裏付ける努力をしていない…ということになるのかもしれませんよ。